お笑い「母の日と饅頭」

 娘に電話した。菜種油が届いたからだ。

 油は、娘と共同で購入している。

 国産の菜種を、昔ながらのやり方で、しぼったもの。

 娘に、油が届いたら取りに行くから連絡して、と言われていた。

 

〈娘との電話での会話〉

娘「お母さん、あした、わたしの誕生日」

母「あっ、そうやったんか。そしたらお祝いに油あげるわ」

娘「そんで、母の日やで。しやから小麦粉あげるわ。」

 (無農薬のパン用小麦粉を持ってきてもらうことになっていた。

  いつも隣村の農家さんからいただいている。)

 

〈会話の続き〉

母「あっ、母の日か。そんなら饅頭、一個買うてきて。」

娘「一個でええのん?」

母「ようけあったら全部たべてしまうから、一個でええで。糖尿病やからね、今、一週間に一回、買い物のときに、饅頭一個買うねん。半額か、2割引きのー。きのう、一個買うて食べた。Yパンの安物やけど、うっとりするほどおいしかったわ。」

 娘が笑って、「それブログに書き」というので、こんなつまらんこと書いてもええんかいな、と思いながら書いている。

 

 二カ月に一回、薬をもらいに医院に行っているが、先日お医者さまに、「とても数値がよい、これなら、コロナにかかっても生還できますよ」と言われた。このところ、甘いものは食べないようにしているのが、効いたかな。

 糖尿病やし、慢性気管支炎があるから、コロナにかかったら「いちころあ」と言っていたが、有難いお言葉でありました。

 

 先日夫に「甘いもん、減らしてるねん、えらいやろ。」と言っていばったら、「もう今までに十分食べたからな。」と言われた。するどいコメント!

 なるほど、一理あるわいと、納得した。「あんこ」好きで、地元産の小豆をたくさん買っておいて、よく炊いた。自分で炊いたぜんざいは、とてもおいしい。

 でも、食い意地がはっているので、小豆を炊くと、炊いただけ全部食べてしまう。後日食べようと思って、取り分けて冷凍しておいても、こんなことだけは覚えがよくて(忘れっぽいことで有名であるのに、です。)「後日」にならないうちに食べてしまう。冷凍庫にあるあんこの姿がちらついて頭から消えないのである。

 我慢のできない自分につくづく愛想が尽きて、ついに、お客のあるとき以外、小豆をたくのもやめた。

 このごろは、饅頭一個で満足している。たまに食べるからか、期限切れ寸前の、防腐剤など添加物入りまんじゅうでも、おいしくいただいています。(この点は、鷹揚であります。)

 

 さて、翌日の9日、娘が連れ合いといっしょに、油を取りに来た。そして、「淡雪饅頭」買うてきたで、あれがいちばんおいしいやろ、あわゆきまんじゅうやで、としきりにとおっしゃる。一寸待ってて、車に取りに行ってくるから、と仰せになるので、期待して待っていたら、なんのことはない、やはりYパン製の饅頭だった。割引でなく、正価で買ったのがご自慢なのか。でも、正価と言っても、80円くらいのものだ。

 「なあんや、もっと上等の饅頭かと思たわ。いばるほどや、ないやんか。」と言ったら、娘の彼氏が「そう、そう」とうなずいていた。

 なにはともあれ、本日の「淡雪饅頭」も、おいしくいただきました。

 

 ところで、娘が、この日、二人でスペイン料理食べてきた、というので、「すごいやん。」と言ったら、「彼氏の友達の店で、今コロナで大変やねん」と言う。そっか、それやったら、食べに行ったらなあ、と言っておいた。今、いちばん大変な業種だ。大丈夫かなあと、わたしまで心配になった。

 「ひまがあるのはすばらしい」と言っていた娘ではあるが、やはりコロナ禍で、無収入になり、家計がひっ迫してきた様子。「わたしも、持続か給付金がもらえるかもしれん」と言っていた。

 かれらは、そもそも、低収入。暇があると喜んでいられるのも、食べていけてこそである。自粛要請は、補償と一体でなければならないだろう。

 (何をかくそう、わたくしめも、常日頃から、経済がひっ迫しております。) 

 あ、娘からメールがきた。「あわゆきまんじゅう、やなくて、吹雪まんじゅうやで。」、だそうなので、訂正しておきます。でも、わたしが名づけた〈淡雪饅頭〉。こっちの名まえのほうが、おしゃれじゃありません?

 ちなみに、吹雪まんじゅうって、粒あんの上に、小麦粉の薄い皮がまだらについているまんじゅうです。