夏をのりきるために ー最強の、不思議なカレー

 大阪に住んでいた子供のころのように、のどにあせもができそうな、汗だらだらの日がつづきましたが、昨夕のはげしい雷雨で、やっと涼しくなりました。

(暑いのが苦手で、涼しい信州に移住してきたというのに、この暑さは何?)

 

 あまりに暑いので、このところ、ソーメンやソバを食べることが多いのですが、お昼は、一人なので、残り物をいただきます。

暑い時はカレーですよ。カレーは、ほぼ毎日。

 カレーは、不思議と食べ飽きないのですね。 

 わたしは、とにもかくにも、ゴミを出さない、添加物はとらない主義なので、

カレーも、ルーは使わず、自分で作りますが、今冷凍庫に、カレーを入れた大きめのビンが三本も入っています。

 

 自分で作るたって、面倒なことはしません。なんでもカンタンがモットー。

ただ、わたしにとって、おいしいカレーのコツは、二つあります。

 1つは、骨付き肉を入れること。骨付き、と言えば、鶏肉しかありませんが、骨付きの、半額とかを見つけたら、買っておきます。

 

 実は、5年ほど前、73歳のとき、ロシアのウラジオストクに、一年間語学留学に行きました。そこの市場の肉屋のお兄さんは、たぶんウズベク人だと思いますが、大きな丸太の台の上で、牛肉の塊(かたまり)を、でっかい斧で骨ごとぶった切って、必要なだけ売ってくれるのですね。豪快でした。豚肉は見かけなかったような気がします。

 あちらでは、そもそも肉はみな、塊でしか、売っていません。スライスなんて、お上品なものは、見当たらない。鶏肉やさんも、一羽丸ごとか、少なくとも塊で売っています。チーズだって、塊ですよ。ケーキやパンまで、必要なだけ切って売ってくれます。ウラジオストクの市場は、ほんとにたのしかったなあ。

(そもそもスーパーはきらいです。昔の大阪の、活気のある市場がなつかしい。)

 

 この骨付き肉で、ロシアのボルシチとか、カレーとかを作って、学生寮のわたしの部屋で、若い人によくおごちそうしました。もちろん、国籍を問わず、です。

 骨付き肉を入れて、肉が骨からはがれるくらい、やわらかくなるまで、コトコトと煮ます。すると、断然おいしい。スープの素なんか、足元にも及びません。

 

 もう一つのコツは、これは、娘に教わったんですが、ニンニクとショウガを最初に炒めますが、そのあと玉ねぎを茶色になるまでよく炒めること。これで、ぐっとコクを増します。コクが足りないと思うときは、味噌をたしたりもします。

 あとは、野菜は何でもいれて、最後に塩とカレー粉を鍋に入れておわりです。

まあ、ルーよりはたいへんでしょうかね。大豆カレーにすることも多いです。

 ほんとうは、トマトをたくさん入れると、おいしいのですが、トマトがお高い時は、梅酢を入れたりします。一寸酸味がある方がおいしいんですね。

 

これからが、最強の、不思議なカレーなんです。

カレーが減らない。減らないどころか、増える!

そのわけは、味噌汁があまったら、カレーに入れる。かぼちゃの煮物の汁があまったら、入れる。魚の炊いた汁が余ったら、入れる…。魚介類を入れるカレーもありますからね、魚の汁を入れても、大丈夫なんです。そして、カレー粉を足します。カレー粉が少ないときは、粉唐辛子をいれたりもします。

 

とにかく、食べられるものを捨てるのがいやな性分。そういう余り物は、すべてカレーに注ぎ込む。キャベツの芯なども、入れますよ。

すると、とても複雑な味になって、おいしいんですよ!

お客様に出すのは、何が入っているかわからないので、ちょっと躊躇されますが、家族が食べる分には、上等です。

今、トマトが最盛期で、安く出回っています。こんなときに、出た!びんづめバーサマ。トマトの水煮をつくっておきます。

かんたんですよ。トマトを煮て、瓶に入れて、煮沸するだけ。カレーの時に、重宝します。トマトのびんづめなんて、買うとお高いですものね。 

 

 ついでに。そもそも、人類は、共同・協力することで、生き延びてきた、とブログに書いてきました。「共同繁殖」、子育ても共同でする動物だということも書きました。

さらに人類は、常に「共食」だったんですね。

 火を囲んで、みんなで協力して獲った食べ物を平等に分け合って、いっしょに食事していた。なんだか、たのしそう。

 

 そういう文化的遺伝子があるのかどうか、わたしも、ほかの人と一緒にご飯を食べるのが好きなんですね。

 子どもの頃、5人きょうだいで、いとこや叔母もいて、大家族だったので、いつも、大人数で食事していました。ごはんだよ、と言われると、何をしていようが、とんで行かなければならなかった。自分勝手はゆるされない。それが当たり前だったんです。そして、トマトが小さい一かけらでも、不服にも思わなかった。

前にも書きましたが、トマトを一個丸ごと食べたい、というのが、夢だったんです。あの頃をおもうと、今はずいぶん贅沢になりました。

こんなカレーでよろしければ、いつでも、おごちそうできますよ!