№12 10年味噌と手づくりアイスクリームの巻

このところの、わがやのトピックス。10年?味噌。

毎年、わが家では、無農薬の大豆を隣村の農家さんから分けていただいて、家で仕込んでいます。

 今は新宅にいますが、実家の「あやの里」は、家も大きく、敷地も広いので、裏庭で、ブリキの大きなかまどで薪をくべ、大きな鉄の鍋で、前の日から水につけておいた大豆を煮ます。

 

煮えたら、手回しの豆つぶし機でつぶしながら、大きな半切り(盥・たらい)の中に落とし込みます。薪でたいたばかりの大豆をちょっとつまんで食べてみると、とてもおいしい。この煮豆をお醤油につけて、醤油大豆にしてもおいしいので、少し取り分けておきます。 

 そして、このつぶした大豆に塩と米麹をまぜて、大きな木の桶に、隙間のないように詰めていきます。

実は、上記の作業をするのは、ほとんどわが娘さん。わたしはすりつぶすときに手伝うだけ。働き者の娘さんです。

それでも、すりつぶすときに手が要るので、わたしも一応必要人物なんですね。

 

こうして仕込んだ味噌は、半年ばかりたてば食べられるようになるのですが、まだ日が浅いものは、あまりおいしくありません。3年ほどたって、熟したのが、おいしいです。

 このごろは、プラスティックの桶に仕込むことが多いようですが、わが家ではずっと木の桶を使っています。木の桶でしこむと、桶に味噌菌がしみ込んでいるためだと思いますが、おいしいのですね。プラスティックは、簡便なようですが、化学物質が溶け出るような気がして、使いたくないのです。ごみにもなるし。

燃やすと、有毒ガスが発生します。木の桶は、何十年も、百年でも使えます。

 

 あやの里に越してきた18年前、地元の新聞の「下さい」欄に、桶がほしいと、出したら、なんと何軒もから連絡があり、桶をたくさんいただいたのです。ほかにも、柿渋を塗ったりっぱな桶を下さる方があり、それらの桶を使っています。

 桶は高価なもので、桶をひっくり返すと、底に、持ち主の氏名や購入した年月日が書いてあります。桶屋さんは、この近辺でもほとんどなくなってしまいました。かまども鍋も、豆つぶし機も、みんな友人からいただいたものです。

 

 さて、味噌を仕込んだ桶は、土間に置いておきます。

あやの里は、古い民家なので、土間が広いのですね。人々が大人数で自給自足で暮らしていた頃は、土間はなくてはならない必要不可欠の空間でした。

冬に、縄をなったり、蓆をあんだりのわら作業もできるし、いろんな保存食品の置き場にもなります。あやの里の土間には、藁うち台も埋め込んであります。土間は、文字通り土の床なので、水分を吸ったり吐いたりもします。

冬は暖かく、夏は涼しいのです。

 

さて、今年のミソ炊きも無事にすみましたが、実は前から、なぞのカメが二つあったのです。なんだかこわくて、いつまでたっても放置していたのを、娘がやっとあけてみたら、昔仕込んだ味噌だったんですね。

ほら、よくあるじゃないですか。

もったいないと思って、食べ残しのおかずとか材料を冷蔵庫にしまっておいたのはいいが、それを忘れてしまって、しばらくして気がついたときには、だいぶ日にちがたっていて、今度は開けるのがこわくて、さらに放置しておく…、ということが。(ないか…。)

 

さて、くだんの二つのカメのうち、一つはやっぱりもう駄目だったそうですが、もう一つは「おかあさん、まだ食べられるよ」というので、食べてみたら、なるほど、これはまだいける。

というわけで、このいつ仕込んだかわからない、おそらく10年くらいたっている黒い味噌を、今いただいています。

まあ、まだ食べられるけれど、やっぱり3年味噌には負ける。そこで、去年 仕込んだばかりの、まだ味が浅い味噌と混ぜて使っています。

 

連れ合いには、だまっておりまする。味噌の味が変わったこと、気がつかないんですね。こういうふうに、素知らぬ顔をして実行するってこと、けっこうあるじゃないですか。(ないか…。)

 

ついでに、自家製アイスクリームの作り方。

これは、わたくしめの発案でございます。

昨日久しぶりにお客がありました。友達のTさんが、お連れ合いといっしょに、断捨離だとかで出たものを、持ってきてくださったのです。純な、いつもいろいろ下さる、とても気前のいい、元気でおもしろい人です。

 

そこで、お茶用にケーキをパン焼き機で作ったのですが、いまひとつしっとりしなかったので、アイスクリームをつくろうと思いました。

夫に生クリーム(ほんもの)を買ってきてもらって、砂糖を入れて、テレビ見ながら5分くらい、手回しの泡だて器でチャカチャカ泡立てて、あとは冷凍庫に入れるだけ。超かんたん!

 

面倒なときは、生クリームの入っている紙パックの中に砂糖をいれて、そのまま冷凍庫に入れるだけでも、アイスクリームになるんですよ。

ゴミも出ないし、添加物もないし、それに、おいしいんです。

 

例の如く、あったら全部たべてしまう危険人物なので、最近はつくりません。

久しぶりに作りました。おためしくださいな。