山暮らしはいいな。

 急に夏のように暑くなって、去年の秋カメ(甕)の中に仕込んでおいた柿酢を、早く濾さなくちゃと、少々あせっていました。表面にカビがつくからです。そこで、きょう、がんばってやっと布で濾しました。

(本日は、です、ます調ね。気まぐれなブログであります。)

 柿は、去年たくさんもらったのを、食べきれないので柿酢にしたのですが、「仕込む」と言っても、ただ甕(カメ)に詰めておくだけ。簡単なものです。(そもそも、かんたんなものでないと、この穴あき頭がうけつけない。どうも巡りが悪い。ミスも多い。)

 それでも、この濾す作業、以前なら楽にできていたことが、80歳を前にしたバーバには、少々大変でした。いつまでできるかなあ、と思います。きょうも、やっとのことでした。膝が悪くて、ともすれば転びそうになる。転んでけがをしたことも何度か。

 いくら、気持ちがあっても体がついていきません。繕い物も、いつまでできるかわからない。それが、歳というものね。そうやって少しずつ衰えていくから、死ぬ覚悟も少しずつできていくのでしょう。あまりに元気だと、死ぬ気になれなくて、あとの人が困るじゃない。(若い人が死ぬのは、なんといってもかわいそう。)

 友達のリンゴ農家さんからたくさん分けてもらっていたリンゴの皮が、あたたかくなって、まるでおばあさんのようにしわしわになっていました。でも、中身はまだ十分おいしかった。リンゴも人間もおなじなのね、と、ちょっと短絡コメント。 

 ところで、娘が梅干をつくるので、梅酢をもらいますが、梅酢も実に重宝します。梅酢には塩が入っているので、この梅酢にごま油をまぜると、たちまちドレッシングのできあがり。おいしいですよ。(市販のドレッシングなるももも、長い間買ったことがない。)

 ついでに言いますと、もう長いこと、化粧水というものも買ったことがない。わが家の庭の草をつんで、干して、薬草茶にしていますが、乾燥した薬草に焼酎をいれて、寝かせておいたものを化粧水として使っています。冬は、そこにちょっと蜂蜜をいれると、しっとりします。これが、蚊に刺された時のかゆみにも、とてもよく効く。

 薬草茶は、おおばこ、よもぎ、すぎな、ドクダミ、くわの葉、柿の葉、タンポポゲンノショウコなど。外来のヒメジョンも、薬草になります。枇杷の葉は、よそからもらったのをつかいます。たまに毒草があるけど、ほとんどの草はだいじょうぶ。お腹の具合が悪かったり、風邪を引いた時には、お茶にして飲む。

 またまたついでながら、蜂さされには、蓼(タデ。いわゆる赤まんまですが、白でもいい。)や、シロザ(アカザでもいい)がいいと、薬草の本に書いてあって、ためしたら、ほんとによく効く。山の中の自宅では夏になると生えてきます。シロザや蓼がなくても、そこいらに生えている雑草をもんで、その汁をぬりつけると、不思議やけっこう効きます。 

 さて、息子がタラの芽をたくさん採ったというのでもらったけど、あまりにもたくさんなので、ご近所におすそわけ。ここいらでは、まだ物々交換が生きていて、かわりにおねぎをたくさんもらいました。

山暮らしはいいな。

いま、メジロがないている。

ウグイスは春からずっと鳴いている。

夕方、実に美しく、複雑な旋律で鳴く声がするので、野鳥図鑑で調べてみた。これは、クロツグミにちがいない。

夜は、フクロウも鳴きまする。